桃のショートケーキと、宿泊訓練の思い出

桃のショートケーキと、宿泊訓練の思い出


 
桃のショートケーキ。
 
中にも上にもフレッシュな桃がたっぷりです。
桃は茶色くなるのが怖いので、色止めにレモン汁とナパージュを使いました。
 
このナパージュは少量なので使いやすい〜
 

 
お気に入りのパンダのぬいぐるみと、モカちゃんのキャラチョコを作らせてもらいました♩
 
モカちゃんうまくできた気がする♡
 
 
 
 
* * * * *
 
 
 
さて話は変わりますが、
5年生の長女が、週明けから3泊4日の野外活動に出掛けます。
 
3泊って長いな!
長女はずっと楽しみにしていて、張り切って班長になり、指定されている、あれやこれやの大荷物も夏休み中から揃えて準備万端。
 
 
3泊なので下着も新調しないと足りなかったし、Tシャツからジャージ、パジャマに至るまでそれなりにオシャレで可愛いやつを…と、、女子は大変ですな…
選ぶのだけで疲れたわ、
 
韓国っぽいやつね 笑
 
 
 
 
めいっぱい楽しんできてほしいな。
 
 
 
 
* * * * *
 
 
 
野外活動といえば、私の頃は「宿泊訓練」と呼んでいて、中2の宿泊訓練のことは今でも鮮明に思い出す。
 
 
 
 
私のクラスは、小柄で温厚な、素朴なお母さんみたいな雰囲気の女の先生が担任で、そしてクラス内も中2にしては割と穏やかなクラスだったと思う。
 
 
宿泊訓練の班は、好きな人同士で作ることになっていた。
 
特に揉めもせず、全員すんなり決まったように記憶している。
 
 
 
私はクラスで仲の良かった女子2人と、たまたま近くに居合わせた男子グループ(男女はたまたまな感じで同じ班になるよねw)の、合計6人の班になった。
 
 
 
 
その中に「秀才岡田くん」と呼ばれる男子がいた。
 
 
 
彼はひょろりと背が高く、長めの黒い天然パーマに重そうな黒縁メガネで、いかにも「秀才」な見た目、そして実際、学年で常に1位2位をキープする秀才だった。
 
 
彼のオーラはどことなく近寄りがたく、私はもちろんクラスメイト達も、彼と話をすることは少なかったと思う。
 
 
 
 
 
 
 
宿泊訓練は2泊3日。
 
 
1日目の夜は、野外炊飯で班ごとにカレーを作った。
 
 
男子は火起こしと炊飯で、女子が主にカレーを作る。
 
私も家でカレーくらいは作っていたので、女子達と、鍋に入れる順番があーだこーだと議論しながら結構自信作を作り上げて盛り上がっていた。
 
 
外で友人と作ったカレー、美味しいに違いない。
 
 
お腹も空いていたし、食欲をそそる匂いにテンションがあがる。
 
 
出来上がったカレーを火から下ろす役を、秀才岡田くんが買って出てくれた。
 
 
鉄鍋の持ち手を、軍手を付けて握る秀才岡田くん。
 
 
 
しかし私たちは、火で熱された鉄鍋の恐ろしいほどの熱さを知らなかった。
 
 
 
 
次の瞬間、
 
 
 
 
「あつ…!!!」
 
 
 
 
 
と言う叫び声と共に、ガシャンと大きな音を立てて鉄鍋がコンクリートの上に転がった。
 
 
 
土と小石の混じるコンクリートの上に広がるカレー。
 
 
 
大きな音に、なんだなんだとこちらを見る他の班の子たち。
 
 
 
言葉の出ない私たち。
 
 
 
顔面蒼白の秀才岡田くん。
 
 
 
 
 
「お、俺、やっちまった…」
※ほんとにこのままのセリフでした
 
 
 
 
秀才岡田くんが頭を抱えてヘナヘナとその場にしゃがみ込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
ドラマさながらのシーンだった。
 
 
 
 
 
 
あまりにも模範的な落ち込み方と典型的なセリフに、こんな状況なのに和んでしまったのは私だけではないだろう。
 
 
 
あの、完璧だと思っていた秀才岡田くんが失敗した。
 
 
彼も普通の中学生なんだ。
 
 
なぜか安心したし一気に親近感も湧いた。
 
 
 
 
「と、とにかくなんとか彼を励まさなきゃ!!!」と、班の誰もが思ったと思う。
 
 
 
 
みんなで秀才岡田くんの火傷を心配し、騒ぎを聞きつけた担任の先生が彼の手から軍手を外して水で冷やし、私たちはコンクリートに広がったカレーを片付けた。
 
 
 
幸い、火傷はひどくはなかった。
 
 
 
 
 
私たちは安堵したが、鉄鍋に残ったカレーはほんのわずかだった。
 
 
一連の騒ぎで時間が経ってしまい、他の班は既にカレーを食べ始めていたが、どの班も私たちのためにカレーを残しておいてくれていた。
 
 
 
クラスメイト達からカレーのお裾分けをいただくと、私たちのお腹を満たすには充分な量になった。
 
 
 
いろんな班のカレーが混じった、私たちの班のカレー。
 
 
大小さまざまにカットされた野菜。
固い人参もあった。
 
 
 
でもそれがとても、とても美味しかったのだ。
 
 
 
なにより、クラスみんなの優しさと、このハプニングを乗り越えた自分たちが頼もしく思えた。
 
 
食べながら、みんなで秀才岡田くんをなぐさめ、カレーの美味しさに満足し、最終的には笑ってこの度の出来事を振り返れるほどになっていた。
 
 
担任の先生が、「これも思い出だよ」とニコニコ私たちに向かって声をかけてくれた。
 
 
 
 
ほんとだなぁ。
ずっと、覚えている。
 
 
 
 
のちに先生はこの時のことについて「誰も岡田くんを責めなかったことが嬉しかった」と言っていたが、例え責めろと言われても誰がそんなことできただろうか。
そんな雰囲気だったのだ。
 
なんとかしなきゃと、きっとみんなそれぞれ使命感を感じていた。
 
 
 
 
 
 
 
2日目のメインイベント、42kmウォークのときには秀才岡田くんに頼んで「ここから分速何メートルで歩けば目標時間内にゴールにたどり着けるか」を計算してもらったり、
それにより何分休憩してもいいとか彼は時計を見ながら指示してくれたりと、急速に彼とクラスメイトの距離は縮まったと思う。
 
 
 
 
 
 
 
宿泊訓練から帰って、秀才岡田くんは生徒会長になったが、私たちの持った親近感は変わらず、時々おっちょこちょいな一面を見せてくれる彼を微笑ましく感じながら平和な中学校生活を終えた。
 
 
 
 
 
 
彼のおかげで、20年経った今も私は宿泊訓練のことを鮮明に思い出せる。
 
42km歩いてできた足の水ぶくれの痛みよりも、
美味しかったカレーの味を。
 
 
 
そして思い出すたびに、懐かしいな、と心に温かいものがじわじわと広がるのを感じることができるのである。
 
 
 
 
娘たちにも、大事な思い出をたくさん作ってほしいなぁと思う。
 
 
 
 
秀才岡田くん、県内屈指の進学校に合格したとこまでは知ってるけど、その後のことは知らない。
元気だろうか。
 
クラスのみんなも、元気だといいな。
 
 
 
 
そんなことを思った、娘の野外活動前でありました。
 

〜本日のまほさま〜

 
まほさま「かずちゃんが野活のじゅんびするのみてたけど、ぜんぜんたのしくなかった」
 
 
 
 
世界で1番姉が好きな妹、寂しさを募らせる。笑
 
 
 
■□はつみ□■

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